水のようせい　ミナモのおくりもの

きれいな水のようせいミナモはきょうもたのしくあそんでいます。

「この川をくだったらいったいなにがあるんだろう？」

ミナモが川をくだっていくと

ちいさなイチイの木にであいました。

イチイの木はいいました。

「ぼくにお水をちょうだい」

「ありがとう、おとなになったらおかえしするね」

ミナモがどんどん川をくだっていくと

こんどはさかなのおかあさんアユにであいました。

「わたしにお水をくださいな」

「ありがとう。こどもがうまれたらおかえしするわ」

こんどはおひゃくしょうさんにであいました。

「わしに水をくいださいな」

「ありがとうやさいができたらおかえしするよ」

ミナモがずっとずっと川をくだっていくと

ながれがきゅうにはやくなって

とつぜんミナモのまえから川がきえました。

ミナモはたきからまっさかさまにおちてしましました。

なんとた木のしたでは、

おとなになったイチイの木

おかあさんアユとたくさんのこどもたち、

そして、おひゃくしょうさんがそだてた

いっぱいのやさいが

ミナモをしっかりうけとめてくれました。

―『水のようせい　ミナモのおくりもの』より　絵　谷口　土史子―

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