くらべる値段―ちこり村の本棚から。
東京書籍出版の
「くらべる」シリーズから
「値付け」の背景を知れば、買い物が楽しくなる?
『くらべる値段』が出版されています。
安いと高いは何が違う?
5,000円の盆栽と500,000円の盆栽は何がちがう?
15,000円のヘッドフォンと50,000円のヘッドフォンのちがいは?
など、暮らしの身近な物、気になっていた商品の値段を通して
果たして本当に安ければ良いのか
それだけなのか?を問うています。
その本の中で
「値段」はモノの「背景」を考えるヒント
という切り口で‘もやし’が取り上げられています。
「今日は、質は我慢して、安いものにしよう」
「今日は、贅沢をして、高いものにしよう」
この2つは常に共存しているべきはずであるのに
「よいものを安く」という都合のよい考えに囚われていると
著書は言っています。
極端な例で言うと
不動産が相場よりも明らかに家賃が安い案件は
それなりの事情があると。
値段には必ず背景があるのだと書かれています。
値段の背景を考える例として‘もやし’が取り上げられています。
「もやしは安いもの」と多くの人がイメージしていると思うが
どれだけの人がその値段から作り手の状況を想像したことがあるでしょうか?
と、問いかけてきます。
もやし=安い だけではない。
37円の「緑太もやし」と98円の「大豆もやし」値段の違いには意味がある。
誰でも「安い」方が嬉しい。
ただ手間暇かけたものが「高い」と言うだけで
見向きもされない状況は、
今後、社会を重苦しくしていくのではないかと。
多くの消費者は、また生産者でもある。
生産者を圧迫すれば、結果、消費者も圧迫されることになる。
「値段の背景に意識を向けて、適正な価格のものを買う社会になればと思うのです」
と、締めくくられています。
生産者が報われることは、結果、消費者が報われることになる。
これからも、私たちは
質の良い‘もやし’を届け続けていこう!と再認しました。
【くらべる書籍】【著者 岡部敬史】【カメラマン 山出高士】
【装丁・本文デザイン 佐藤美幸keekuu design labo【東京書籍】